平成26年度 問題14 肢エってどこが間違ってるの?
本ページにはプロモーションが
含まれていることがあります
今回の題材はこちら。
附属建物がある区分建物の表題登記を申請する場合において、附属建物が主である建物と同一の一棟の建物に属する区分建物であるときは、当該附属建物の所在地番並びに構造及び床面積を申請情報の内容とすることを要しない。
(平成26年度 問題14 肢エ)
この答えは×です。
あれ?でもなんか文章読むと〇っぽい感じがするんだけどな…
そういう感想を持たれる方は多いと思います。
この問題のシチュエーションとは、つまりコレですよね。
やっぱり附属建物の構造欄に所在地番、構造、床面積が書いてない!
省略されてるじゃん!
と感じるのではないでしょうか。
でもこの肢は×なのです。
どこがでしょうか。
この問題のネタとなった条文と比較してみましょう。
<元ネタの条文(準則89条)>
附属建物が主たる建物と同一の一棟の建物に属するものである場合において、当該附属建物に関する登記事項を記録するには、その一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに構造及び床面積を記録することを要しない。
<問題文>
~附属建物が主である建物と同一の一棟の建物に属する区分建物であるときは、当該附属建物の所在地番並びに構造及び床面積を申請情報の内容とすることを要しない。
はい、これでお気づきですね。
条文上「一棟の建物の」となっているところが、「附属建物の」と書き換えられているのです。
えー!こんな細かいヒッカケ見抜けないよ!!
と怒りに震えるかもしれません。
…が、よくよく考えてみましょう。
「附属建物の構造と床面積」ってコレですからね。
これは省略できないですよね。
まさか空白で出すわけにもいきませんし。
なので、文章の意味をちゃんと汲み取っていれば、気付けるものでもあるのです。
しかもですよ。
問題文には「附属建物の所在地番」と書いてあります。
これがそもそもおかしいんです。
なぜかというと、区分建物に「所在」は存在しないからです。
え!所在はあるでしょ!
…とお思いの方。ないんですよ?
所在があるのは、あくまで「一棟の建物」なんです。
一棟の建物に属する一つ一つの区分建物には、所在はないんです。
(だから、所在は「一棟の建物の表示」欄に記載するのです)
したがって、区分建物である附属建物について「附属建物の所在地番」と書かれている時点で、文章としておかしいことになります。
この知識を知っていれば、読んでいて「変だな?」と思うハズです。
条文の文言をほんの少しいじって引っ掛けてくることはよくありますが、この問題は特に見極めが難しい部類だと思います。
ただ、上記のように、申請書をちゃんと思い描けていたり、「区分建物に所在はない(所在があるのは一棟の建物)」という一つの知識があるだけで、気付けることもあるわけです。
えげつない問題ではありますが、こうした問題を糧に、知識を確実なものにしていきましょう。