今回のテーマは平成20年度、問22です。

建物区分登記に関する問題ですが、敷地権割合を求める際に苦戦される方が多くいます。
確かに気を付けて考えないと間違いやすい部分なので、この記事でしっかり理解しておきましょう。

どのように区分するのか

一番重要なのはこれです。
「そもそも、区分後の建物はどことどこになるのか」
これが分かっていなければ、敷地権の割合を計算することはできません。
本問では敷地利用権の割合を定めた規約がないので、床面積割合になります。
床面積が計算できなければ、敷地権の割合も求められないからですね。

では結論からいきましょう。このように区分されます。

本問では、共同住宅部分(イ)と居宅部分(ロ)の「2個の建物」に区分する、とありますよね。
そのため、(イ)はピンクで塗った部分、(ロ)は青で塗った部分になります。
これで「2個の建物」になるということです。
(どちらも2階建の区分建物ですね)

1階の隔壁は床面積に算入する

ここで多くの方が疑問に思うのが、1階の隔壁の扱いです。

「隔壁部分は引かなくていいのか?」

ということですね。
はい、引かなくてよいです。
なぜなら、1階は2部屋ぶち抜きで(イ)の1階になるからです。

もし隔壁を除いてしまうと、(イ)の1階が2つに分かれてしまうので、1個の建物にならなくなってしまうのです。

アガルートのテキストをお持ちの方であれば、申請書例47の各階平面図をご覧頂くとよいでしょう。
隣接する区分建物同士を区分合併して1個の建物にすると、その隔壁も合併後の建物の床面積に含まれますよね。
本問は区分合併ではありませんが、そのような状態に直接区分するということです。

床面積を計算しよう

では、敷地権割合を出す前提として、(イ)(ロ)の床面積を求めましょう。

(イ)
1階部分:126.84 ㎡
2階部分:57.37 ㎡
合  計:184.21㎡

(ロ)
2階部分:68.07㎡
3階部分:116.14㎡
合  計:184.21㎡

ということで、(イ)も(ロ)も同じ床面積になりました。
つまり、敷地権割合は(イ)も(ロ)も同じ割合になることが分かりますね。

敷地権割合を計算しよう

では、実際に敷地権割合を計算してみましょう。
建物の所有者は平野大輔です。

そして、平野大輔は、5番6の土地について4分の3の持分を有しています。
つまり、この4分の3の持分を、(イ)と(ロ)に割り付けてあげることになります。

先ほど求めた通り(イ)と(ロ)の床面積は等しいですから、ここはシンプルに1/2ずつにすると考えればよいでしょう。

したがって

3/4×1/2=3/8

となり、(イ)も(ロ)も敷地権の割合は8分の3ということになります。

(ちゃんと床面積で計算して、3/4×18421/36842=55263/147368 としても良いですが、計算が面倒なので1/2を使った方が良いですね。これは令和3年度も同様です)

まとめ

本問は

  • 複数の部屋に分かれているものが1個の区分建物となる。
  • 区分建物としては珍しい2階建である。
  • 全てのフロアの計算が異なる。

といった要素が絡み合って、イメージもしづらく、手間も多い問題です。
たった4ページしかない割には強敵ではありますが、床面積割合を理解するには好素材なので、何度も解いて、腹に落としていきましょう。

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