なぜ一部地目変更・分筆登記にならないのか
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これも本当によく頂く質問です。
令和3年度の土地の問題において、甲区画は駐車場となっているのに、分筆後にこの部分の地目を雑種地に変更しないでよいのはなぜなのか。一部地目変更・分筆登記とすべきではないのか。
(※ちなみにこれは、令和元年度の丙区画(家庭菜園)にも言えることです)
結論からお伝えしましょう。
「分筆したこと」を理由に地目が変わることはありません。
つまり、一筆全体が宅地として認定されている状態で、その土地の一部を分筆したとしても、分筆後の各土地はすべて宅地にしかなりません。
一部地目変更・分筆登記というのは、一筆の土地の一部が別の地目に変わったことにより、当該部分を分筆しなければならなくなった場合の登記をいいます。
「地目が変更したこと」を理由に分筆するのです。
この違い、分かりますでしょうか。
令和3年度の問21における10番1の土地は、「駐車場や庭を含めて一筆の宅地」です。
地目認定にも以下のような記述があります。
宅地の一部に自家用車などの駐車場が設けられている場合であっても、土地全体の利用状況から、宅地と評価できるときは、駐車場の部分を含めて「宅地」として認定します。
地目認定13頁
もし、「駐車場部分に垣根や柵を設けて、判然と区別した」などの記載があれば、一筆の土地の一部について地目が変更したといえますが、別にそういった記載はありませんよね?
つまり、この土地の地目はどこも変わっていません。
一筆丸ごと宅地です。
そして、一筆丸ごと宅地である土地を分筆したとしても、分筆後の各土地は全て宅地です。
繰り返しになりますが、一部地目変更・分筆登記というのは、一筆の土地の一部が別の地目に変わったことを原因として分筆をするものです。
地目が変わったという事実が先にあります。
これは1月以内の申請義務がある報告的登記であり、分筆しなければならないものです。
所有者の自由な意思で行う形成的登記の分筆とは全く異なります。
ヒッカケで出題されやすい部分ですから、しっかり区別を付けられるようになっておきましょう。