添付書類について誤解されている方が多いので、今回はそれを解消しておきたいと思います。

よくこういったご質問を頂きます。

建物の2階を増築したときは、1階の形状には変更がないのだから、建物図面は不要だと思います。なぜ添付が必要なのですか。

区分合併したときには、隔壁部分の床面積が増えるのだから、所有権証明書が必要だと思います。なぜ添付しないのですか。

これは代表的な例であって、他にもたくさんのバリエーションがあります。
「〇〇のときには、〇〇が必要(不要)ではないか」
というものですね。

これらのご質問をされる方には共通点があります。それは

根拠となる法令を見ていない

ということ。
つまり、「自分が想像しているルール」で判断しているということです。

添付書類に限らず、不動産登記制度には

「〇〇のときには、だいたい〇〇になる」

という、ある程度の法則性があります。
そのため、こういった法則性を頼りに判断することは、決して悪いことではないです。
特に、試験本番において他に判断材料がないときには役に立つからです。

ただし、普段の勉強のときはそれではいけません。
先ほど「だいたい」と言ったことから分かる通り、それは「絶対」ではありませんから。

我々は不動産登記制度というルールの下で手続きをしています。
何かを判断するときには、法令や先例などの明確なルールに基づく必要があるのです。

添付書類について「〇〇が必要(不要)」と判断したときに、私が

そう判断した根拠はなんですか?

と聞いたら、「不動産登記令で規定されているからです」とか「そういった先例があるからです」と言えますでしょうか。

「なんとなくそういう気がするからです」

という回答になってしまうようであれば、それはルールブックを読んでおらず、雰囲気でしかルールを把握していないことになります。
必ず、根拠となる法令や先例を確認しましょう。

それでは、冒頭の疑問にお答えしておきます。

建物の2階を増築したときは、1階の形状には変更がないのだから、建物図面は不要だと思います。なぜ添付が必要なのですか。

建物の表題部の変更の登記において、床面積に変更があるときは、変更後の建物図面の提供が必要とされているからです(令別表14項添付情報欄ロ(1))。

ここに、「1階の形状が変わらなければ添付不要」とは書いていませんし、そういった先例もありません。つまり、1階の形状の変化の有無は関係がないわけです。床面積に変更がある以上、建物図面が必要、ということです。

区分合併したときには、隔壁部分の床面積が増えるのだから、所有権証明書が必要だと思います。なぜ添付しないのですか。

建物の合併の登記において、所有権証明書は添付書類とされていません(令別表16項添付情報欄参照)。

ここに「区分合併のときだけは隔壁部分の所有権証明書の提供を要する」とは書いていませんし、そういった先例もありません。ですから不要です。

添付情報については、その多くが不動産登記令(主に別表)で規定されています。
不動産登記令は、ネットで検索すればすぐに見つかります。別表はページ下部に掲載されています。
その他の法規であっても簡単に見つかります。

まず見ましょう。

中には、明確な根拠がなく、実務上の取り扱いでしかないものもありますが、それは一部のみです。
9割9分のものには、ちゃんと根拠があります。

ですから、必要なのか不要なのか疑問に思ったら、まず「法令の規定はどうなっているのか」を確認する習慣を付けましょう。
根拠にあたること=ルールブックを読むことです。
そしてルールに精通するためには、ルールブックを読むことに勝るものはありません。

「書き方」も同様

これは、添付書類の書き方でも同様です。

住所を変更したときに添付する変更証明書を、住所証明書と書いてはダメですか。

といったご質問を受けることもあります。
添付書類欄にどのように記載するかも、法令の規定に則ります。

表題部所有者の住所変更登記の添付情報は、令別表1項に規定されていますが、ここには以下のように規定されています。

表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報

令別表1項添付情報欄

これを略して「変更証明書」という書き方になります。

では、「住所証明書」と記載する登記の申請においては、どのように規定されているでしょうか。

表題部所有者となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報

令別表2項添付情報欄など

これを略して「住所証明書」という書き方になります。

表現のされ方が違いますから、書き分けなければいけません。
どのように書くかも含めて、規定に沿うわけです。

仮に提供するものが同じ住民票であった場合でも、「住所証明書」として提供することもあれば「変更証明書」や「更正証明書」として提供することもあり、全て書き分けることが必要なのです。

ぜひ皆さんには、

法令の規定に準ずる

という意識をしっかり身に付けて頂ければと思います。
それが、添付書類に限らず、調査士には大事なことですから。

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