今回のテーマはこちら。

区分建物の建物図面に一点鎖線を引くときってどんなときですか!?

本当によくご質問頂くので今回はこれを明らかにしておきましょう。
二度と迷わなくなると思います。

まずは条文の確認です。

(準則52条3項)
前項後段の(=区分建物がその一棟の建物の1階以外の部分に存する)場合において,その建物(その建物が2階以上である場合にあっては,その1階)の存する階層の形状が一棟の建物の一階の形状と異なるときは,次の例示のように一点鎖線をもってその階層の形状も明確にするものとする。
(※「例示」は若干分かりづらいので、割愛します)

ということで、一点鎖線を用いる必要がある場合をまとめると

①区分建物が一棟の建物の1階以外の部分にあって
②区分建物がある階の形状が一棟の建物の1階の形状と違うとき

ということになりますね。

分かりやすく図にしてみましょう。
まず、こんな感じの一棟の建物を想定します。

そしてこの2階に、こんな感じで区分建物があるとします。

そうすると、区分建物がある階(2階)の形状は、1階の形状と違いますよね。


建物図面は、「建物の位置を明らかにする図面」ですから、区分建物がある階の形状が1階の形状と違うときは、その階における位置関係を明らかにするために、別途一点鎖線で示す必要があるのです。

分かりやすく色を付けましょうか。
まず、一棟の建物の1階の形状を点線で示します。

次に、区分建物がある階(2階)の形状を一点鎖線で示します。

最後に区分建物の形状を実線で示します。

これらを合わせると、建物図面はこのようになります。
(どっかの企業のロゴみたいですね)

線が見やすいように、色を消すとこんな感じです。


ここで勘のいい方はお気付きだと思うのですが、線が被っている部分には優先順位があります
例えば以下の部分は、実線も点線も一点鎖線もある部分ですが、引くのは実線になります。

また、以下の部分は、点線と一点鎖線が被っていますが、引くのは点線になります。

つまり、実線>点線>一点鎖線、という優先順位になっているのです。
間違えないようにしておきましょう。

ここから見えてくる作図上のテクニックがあります。それは
点線 → 一点鎖線 → 実線
の順に引く
ということです。
点線を書いた後に、一点鎖線にすることは簡単ですよね。
(点線の間に「・」を入れるだけです)

点線や一点鎖線を書いた後に、実線にすることも簡単です。
(上から線を引けばいいだけです)

逆はリカバリーがききませんが、この順番であれば間違えてもダメージがありません。
なので、ボールペンで清書するときに、自信がなかったらまずは点線から引いて、次に一点鎖線、最後に実線の順で引くようにしましょう。

ということで、一点鎖線を引くのは、区分建物が1階以外にあって、その階の形状が1階の形状と違うときだけというのを理解しておきましょう。

以下のように、区分建物が1階以外にあっても、その階の形状が1階の形状と同じであったり

区分建物が1階にある場合には、一点鎖線を引くことはありません。

覚えておきましょうね。

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